RPG の世界


何気なく RPG (ロールプレイングゲーム)で遊んでいれば特に気付きませんが、
指摘されると「なるほど」と思ってしまうネタです。

RPG の四角いワールドマップを思い浮かべてみましょう。
まず、マップの上端と下端は同一視することが出来るので、
地図を丸めて上端と下端を貼り合わせると円筒を作ることが出来ます。
さらに、マップの左端と右端も同一視することが出来るので、それら両端を貼り合わせます。
すると、ドーナツ状曲面が出来上がります。

数学ではこの曲面をトーラスと呼びます。
つまり、RPG の世界は球ではなくトーラス(torus)ということになります。

ここからは少し専門的な話です。
トーラスが Lie 群の構造を持つことを述べます。

まず、円周 S1 は Lie 群の最も簡単な例の1つで、
1次元ユニタリ群 U(1) と同型であることは直ちに分かります。
次に、1次元トーラス群 TR/2πZ は加法群 R において、
2π の整数倍だけ異なる2つの元を同一視して生ずる群です。
イメージとしては、1周すると 2π となる円柱に数直線をぐるぐる重ねて巻きつける感じです。
T は U(1) と同型であり,従って位相的には S1 と同相なので、
結局 T は S1 のことです.

さて、ドーナツは2つの S1 で表すことが出来るので T2 = S1 × S1 と書けて、
これを2次元トーラスといいます。略して2-トーラスともいいます。
S1 は1次元 Lie 群だから、その直積もまた Lie 群となり、
2-トーラスは2次元 Lie 群ということが分かります。

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