RPG の世界

何気なく RPG (ロールプレイングゲーム) で遊んでいれば特に気付きませんが,
指摘されると「なるほど」と思ってしまうネタです.

RPG の四角いワールドマップを思い浮かべてみましょう.
まず, マップの上端と下端は同一視することが出来るので,
地図を丸めて上端と下端を貼り合わせると円筒を作ることが出来ます.
さらに, マップの左端と右端も同一視することが出来るので, それら両端を貼り合わせます.
すると, ドーナツ状曲面が出来上がります.

数学ではこの曲面をトーラスと呼びます.
つまり, RPG の世界は球ではなくトーラス (torus) ということになります.

ここからは少し専門的な話です.
トーラスが Lie 群の構造を持つことを述べます.

まず, 円周 S1 は Lie 群の最も簡単な例の1つで,
1次元ユニタリ群 U(1) と同型であることは直ちに分かります.
次に, 1次元トーラス群 TR/2πZ は加法群 R において,
2π の整数倍だけ異なる2つの元を同一視して生ずる群です.
イメージとしては, 1周すると 2π となる円柱に数直線をぐるぐる重ねて巻きつける感じです.
T は U(1) と同型であり,従って位相的には S1 と同相なので,
結局 T は S1 のことです.

さて, ドーナツは2つの S1 で表すことが出来るので T2 = S1 × S1 と書けて,
これを2次元トーラスといいます. 略して2-トーラスともいいます.
S1 は1次元 Lie 群だから, その直積もまた Lie 群となり,
2-トーラスは2次元 Lie 群ということが分かります.

photo credit: Villarceau Variations II via photopin (license)

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0.9999… = ?

無限に関するトピックを1つ.

0.9999…
と無限に小数点以下の 9 が続いていくと何になるでしょうか?

答えは 0.9999… = 1 になります.
この証明は無限等比級数の和を使うと簡単に示せます.

初項を a=9/10, 項比を r=1/10, 第n+1項までの和を Sn とすれば,

  Sn =   a + ra + r2a + r3a + … + rna,
rSn = ra + r2a + r3a + r4a + … + rn+1a

と表せるので, 2つの等式の各辺を差し引きすれば,
(1-r)Sn = a – rn+1a.

ここで, 0 < r < 1 であるから, n → ∞ とすれば, Sn → ∞ = a / (1-r).

よって, (9/10) / (1-1/10) = 1 となります.

photo credit: We were infinite. via photopin (license)

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線型と線形

大学の教養で勉強する数学の1つに「センケイ代数 (linear algebra) 」があります.
それは行列やベクトル空間を扱う数学で,
現在までにセンケイ代数に関する書籍は星の数ほど出版されてきました.
それらの書籍では「センケイ」という漢字が2通り使われています.

”linear” の訳語には「線型」と「線形」がありますが,
この2つの違いは何なのかと思った人はいるのではないでしょうか.

それは線の「タイプ」か「カタチ」かの違いです.

センケイ変換, センケイ写像, センケイ形式, センケイ独立…
は直線的な「タイプ」と思えるので, 「線型」が適当でしょう.

また ”linear” には直線的といった感じがあって, 「1次」とも訳されるので,
線型変換と1次変換, 線型写像と1次写像, 線型形式と1次形式, 線型独立と1次独立は同じ意味です.

別に気にしなくても良いと思いますが, 「線形」が気に食わない人はいます (私もその1人です) .
ただ, 数十年前と比べて今では「線形」が広く使われているようです…

photo credit: Red Arrows British F1 8 July 2007bb054 via photopin (license)

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