Mathematics

アトラクタとカオス

アトラクタとは,
散逸系 (エネルギーの出入りがある系) の運動が
初期条件に依存しない終極状態のことをいいます.

アトラクタは4種類あることが知られており,
以下は連続力学系 (パラメータ t が実数全体で定義される力学系) の場合です.

  1. 不動点
    ある1点に収束するアトラクタ.
  2. リミットサイクル
    周期運動を繰り返すアトラクタ.
  3. トーラス
    軌道が相空間内のドーナツ状曲面上に巻き付くように収束するアトラクタ.
  4. ストレンジアトラクタ
    軌道が2度と同じ点を通らない奇妙なアトラクタ.

4つ目のストレンジアトラクタがカオスとなります.

カオスとは,
決定論的な系において, 初期条件の僅かな違いが瞬く間に増幅され,
予測不可能な挙動を示す現象をいいます.

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Hardy-Ramanujan 数

1729という数にまつわる有名なエピソードを紹介しましょう.
1900年台初頭, イギリスの数学者 Hardy (ハーディ) の話です.

療養中の友人, インドの数学者 Ramanujan (ラマヌジャン) を見舞いに行く途中,
乗ったタクシーのナンバーは1729であった.
私にとって, その数はどうでもいい退屈な数字であった事を Ramanujan に告げると, すぐさま彼は
「そんなことはありません. 大変興味ある数ですよ.
それは2組の3乗数の和で2通りに表すことができる最小の数です」

これは Ramanujan の数に対する特異な洞察力を物語るエピソードです.
実は, 1729は次のように表すことができます:
1729 = 123 + 13 = 103 + 93.

このことを即座に指摘した Ramanujan を
イギリスの数学者 Littlewood (リトルウッド) は
「全ての自然数は彼の友人だ」と評したと言われます.

このエピソードにより, 数1729は Hardy-Ramanujan 数と呼ばれています.

ちなみに, Hardy の話には続きがあります.
4乗数でも同様のものがあるのかを尋ねた所, Ramanujan はしばらく考えた後
「その答えは分からないけれど, それはすごく大きな数になるでしょう」

この直感は当たっており, 実際, 4乗数では次のようになります:
635318675 = 1584 + 594 = 1344 + 1334.

Ramanujan の天才振りは異常です.
まるで呼吸をするかのように感覚的に数式を扱っていたというか,
地球に舞い降りた宇宙人が気まぐれにその知識を振りまいていった, としか思えません.
しかも, 彼は証明の概念を持ってなかったらしいです.

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Kaprekar 数

全ての位が同じ数字ではない 4 桁の数は
各位の数字を並べ替えてできる最大の数から最小の数を引く計算を繰り返すと
最後には必ず 6174 になる.

この驚くべき事実は, インドの数学者 Kaprekar (カプレカ) によって発見され,
彼の名前をとって数 6174 を Kaprekar 数といいます.

試しに 1106 で計算してみました.
6110 – 0116 = 5994
9954 – 4599 = 5355
5553 – 3555 = 1998
9981 – 1899 = 8082
8820 – 0288 = 8532
8532 – 2358 = 6174
7641 – 1467 = 6174 !

尚, Kaprekar 数は 9 の倍数であることが分かります.
実際, 一般に 4 桁の数 bcad (a ≥ b ≥ c ≥ d) で考えると,
(最大数) = 1000a + 100b + 10c + d,
(最小数) = 1000d + 100c + 10b + a なので,
(最大数) – (最小数) = 999a + 90b – 90c – 999d となります.
この数は明らかに 9 の倍数ですね.

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