IQ150の問題

次の問題は, 私が中学生のときに教わったもので, 当時IQ150の問題と言われていました.
※問題文の表現が過激なのはご了承ください

問題:
ある家族「父・母・娘が2人・息子が2人・召使・犬」がいます.
この家族が大きな川を渡ろうとしています.
ただし, 条件が幾つかあります.

  • 舟は1つしかありません,
  • 舟に乗れるのは2人まで (犬も1人と数える),
  • 舟には漕ぎ手が必要で, 舟を漕げるのは, 父, 母, 召使の3人だけ,
  • 父は, 母がいないと娘を殺してしまいます,
  • 母は, 父がいないと息子を殺してしまいます,
  • 犬は, 召使がいないと家族を殺してしまいます.

何回往復しても構いません.
さて, どうすれば誰も死なずに川を渡れるでしょうか?

これと似た問題に, 「川渡しの問題」と呼ばれる古典的な (論理) パズルがあり,
8世紀にイギリスの神学者 Alcuin (アルクイン) が考案したと伝えられています.

Alcuin の問題は, オオカミ, ヤギ, キャベツの全てを無事に向こう岸に運ぶには?

というもので, 上記の問題は, そのバリエーションと思われます.
解答例を見てみましょう. 

解答例

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数学科卒は「数字」に強いのか?

社会人になってから, 感じたことです.

「大学で数学を勉強していたということは数字に強いんですね. 」

数学科を卒業した人なら, 一度は言われたことのある一言だと思います.
そういう私も数学科卒なので, 社会人になってから言われる機会が時々ありました.

しかし, 実際のところ, 数学科卒は「数字」に強くないと思います (どちかというと弱い?).
何に強いかというと「数式 (文字式)」です.

これには理由があって, 算数ならともかく, 大学数学以上になると,
殆どが文字や論理記号を含んだ「数式」を用いるため, 「数字」を扱う頻度がかなり低くなっているからです.
そして, 数学科卒は「数字」に弱くなってしまったということです
(もちろん中には「数字」に強く, 算数の得意な人はいます).

1 日中「数式」と向き合っていた学生の頃と比べると,
社会人になってから「数字」を頻繁に扱うようになり慣れてきたものの,
「数字」に強いと思われると, 未だに違和感を覚えてしまいます.

数学って, 紙とペンさえあれば n 次元 (n は自然数) の世界に入って行けるので面白いですが,
やはり 4 次元以上は目に見えない分, 抽象的な話になってしまいますね.

photo credit: albyantoniazzi ‘Artificial Intelligence’ via photopin (license)

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(-1) × (-1) = 1 になることの証明

よく知られている次の演算規則
(− 1) × (− 1) = 1
がどのようにして導かれるかを見てみましょう.

ここでは, 正の数 (自然数) とは何か, 負の数とは何かについて深く考えず,
機械的に等式を導くことにします.

まず, 1 × {1 + (− 1)} = 1 × 0 = 0 より, 分配法則を使えば,
1 × 1 + 1 × (− 1) =0. 移行して, 1 × (− 1) = − 1 となる.
よって
0 = 0 × (− 1)
    = {1 + (− 1 )} × (− 1)
    = 1 × (− 1) + (− 1) × (− 1)
    = − 1 + (− 1) × (− 1).
従って,
(− 1) × (− 1) = 1
となる.

数式に現れる負の数の演算も自由に行えるようになったのは,
18世紀になってからであると言われています.
しかし, 当時はその正当化はされていませんでした.
その後, 負の数の演算規則は, 結合法則, 可換則, 分配法則などから導かれるものであると明確化したのは,
19世紀のイギリスの数学者 George Peacock (ジョージ・ピーコック) (1791 – 1858) の著書『代数学』 (1830) です.
この考え方は, 「形式普遍の原理」(もしくは形式不易の原理) と言われ,
正の数で成り立つ命題を負の数にも成り立つと認めるという方法です.

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