微分が消える

ある函数 f : RR の 微分を考えましょう.

x = a で df(x)/dx = 0 となるとき, 次のように 2 通りの言い方があります:
(1) 微分が x = a で 0 になる,
(2) 微分が x = a で消える.

(2) の言い方はあまり馴染みがないと思われますが,
英語では ”the derivative vanishes at x = a” という様に,
微分が消えるという言い回しはごく普通だそうです.

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懸垂線 (カテナリー)

函数
y = (cosh ax)/a ( -b ≤ x ≤ b )
のグラフで表される曲線を懸垂線と呼びます.
ここで, aは正の定数で, 曲線の両端を x = ±b とします.

この曲線の面白いところはロープや鎖の両端を固定して,
吊り下げたときに描く曲線が懸垂線を表しているという事です.
懸垂線の式の導出は, 力の釣り合いによる力学の問題です.

建築物の例としては, 明石海峡大橋のメインケーブルは懸垂線を描いています.
また, セントルイスのゲートウェイ・アーチも懸垂線を描いています.
アーチに懸垂線を用いる理由は, 力の釣り合いにより建築物の構造として安定しているからです.

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ほとんど至る所

Lebesgue 積分をやっていると「ほとんど至る所」という概念が必ずでてきます.

P(x) を可測集合 A の元 x に対する命題とします.
ある零集合 (測度が0の可測集合) B ⊂ A があって,
すべての x ∉ B に対して P(x) が成り立つとき,
「P(x) は測度 μ に関してほとんど至る所の x ∈ A に対して成り立つ」といいます.
このことを P(x) μ-a.e. x ∈ A, P(x) a.e. x ∈ A などと書きます.

また「f と g が Ω 上ほとんど至る所等しい」という場合は
f = g a.e. on Ω と書きます.

a.e. は ”almost everywhere” の略で,
a.e. x は ”almost every x” の略ですが, a.e. x のことを ”almost all x” として ”a.a. x” と書く人もいます.
フランス語では ”presque partout” なので, フランス人は ”p.p.” と書いたりします.
確率論では「ほとんど確実に」という意味で ”almost surely” として”a.s.” と書くことが多いようです.

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