Mathematics

(-1) × (-1) = 1 になることの証明

よく知られている次の演算規則
(− 1) × (− 1) = 1
がどのようにして導かれるかを見てみましょう.

ここでは, 正の数 (自然数) とは何か, 負の数とは何かについて深く考えず,
機械的に等式を導くことにします.

まず, 1 × {1 + (− 1)} = 1 × 0 = 0 より, 分配法則を使えば,
1 × 1 + 1 × (− 1) =0. 移行して, 1 × (− 1) = − 1 となる.
よって
0 = 0 × (− 1)
    = {1 + (− 1 )} × (− 1)
    = 1 × (− 1) + (− 1) × (− 1)
    = − 1 + (− 1) × (− 1).
従って,
(− 1) × (− 1) = 1
となる.

数式に現れる負の数の演算も自由に行えるようになったのは,
18世紀になってからであると言われています.
しかし, 当時はその正当化はされていませんでした.
その後, 負の数の演算規則は, 結合法則, 可換則, 分配法則などから導かれるものであると明確化したのは,
19世紀のイギリスの数学者 George Peacock (ジョージ・ピーコック) (1791 – 1858) の著書『代数学』 (1830) です.
この考え方は, 「形式普遍の原理」(もしくは形式不易の原理) と言われ,
正の数で成り立つ命題を負の数にも成り立つと認めるという方法です.

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ダッシュとプライム

例えば f′ と右肩に付いている記号 ”′” を何と読みますか?
f を函数と思っても良いし, 只のアルファベットと思っても構いません.

多くの日本人は ”ダッシュ (dash)” と読むのではないでしょうか.
しかし, それは正しくなく ”プライム (prime)” と読むのが正しいです.

実際に, 辞書で prime を引いてみると, プライム記号 (”A’” の ”’”記号のこと) と書いてあります.
dash を辞書を引いてみると, ダッシュ記号 (―) と書いてあります.

私は大学で数学を学ぶまでは, ”ダッシュ (dash)” と思っていましたが,
数学科の授業では ”プライム (prime)” と読むのが常識でした.

では何故多くの日本人はダッシュと読んでしまうのでしょうか.
それは日本の高校数学でダッシュという読み方が何故か常識になっており,
それが大きく影響していると思われます.

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微分が消える

ある函数 f : RR の 微分を考えましょう.

x = a で df(x)/dx = 0 となるとき, 次のように 2 通りの言い方があります:
(1) 微分が x = a で 0 になる,
(2) 微分が x = a で消える.

(2) の言い方はあまり馴染みがないと思われますが,
英語では ”the derivative vanishes at x = a” という様に,
微分が消えるという言い回しはごく普通だそうです.

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