Hex


私の好きなボードゲームの1つが Hex です。ルールはとっても簡単。

Hex (ヘックス)とは、
六角形が並んだ菱形のボードを使い2人で対戦するゲームです。
通常のボードのサイズは121個の六角形で構成された11×11を使用します。
しかし、Hex では任意のサイズのボードで遊ぶことができます。

Hex は1942年に Piet Hein によって考案され、
その後 Hein とは独立に John Nash も1948年に考案しました。
Nash は映画 ”A Beautiful Mind” で有名ですね。

Hex_board

ルール

まず最初に2人のプレイヤーは自分の色 (赤か青) を決めます。
次に、各プレイヤーは交互に六角形のマス目に自分の色をつけていきます。
自分の色がつけられたマス目によってボードの対辺をつないだ方のプレイヤーが勝ちになります。
ただし、ボードの4隅のマス目は双方の辺に属するものとします。

Hex_game_over
赤が勝った例

Hex の性質

Hex には幾つかの数学的性質があり
その1つが、Hex には引き分けがないということです。
これは図をみれば両者とも対辺を繋げた状態にできないことから直感的に明らかです。
この性質は David Gale によって証明され、
また彼は引き分けがないという事実は2次元の Brouwer の不動点定理と同値であることを示しています.

D. Gale, “The Game of Hex and Brouwer Fixed-Point Theorem”.
The American Mathematical Monthly 86, 818-827, 1979.

もう1つの大きな性質として、任意のサイズ n×n のボードで
Hex は (ミスをしなければ) 先手必勝であることがJohn Nash によって証明されています。
しかし、それは存在証明なので具体的な必勝法は分かりません。

Hex のルールは簡単ですが、一般の必勝法を見つけるのは非常に難しく
戦略は複雑なものとなっています。

上で述べた2つの数学的性質の証明はどれもシンプルなので
興味のある方は、例えば

J. van Rijswijck, “Computer Hex: Are Bees better than Fruitflies?”
Master’s thesis. Alberta, Canada: University of Alberta, 2000.

を参照してください。

ところで、先手必勝なるものがあると後手は不利なため、パイ・ルール (スワップ・ルールともいう) が適用されます。
つまり、先手がマス目に色をつけた後で、後手が「赤と青を交代」か「このまま続行」かを選択することができます。