次の定理を Jordan (ジョルダン) 曲線定理と呼びます.
c を平面上のループ (Jordan 曲線, 単純閉曲線とも言う) とすれば,
その補集合 R2-c は有界な部分 (内部) と有界でない部分 (外部) から成り, 2つの領域の境界は c です.
c の内部と外部からそれぞれ1点ずつをとれば, それらを結ぶ弧は必ず c と交わる.
この定理は一見明らかのように思えますが,
一般のループに対して証明するのは難しく, 位相幾何学の知識を必要とします.
いま, R2 について述べましたが, R3 の場合は成り立つでしょうか?
答えは, 成り立ちません.
R3 内のループでは内部も外部もないことは明らかでしょう.
また曲面上のループを考えると, 球面 S2 上では定理が成り立ちます.
ただ, 単連結の記事で書いたように内部・外部の区別は意味がありません.
トーラス上には定理が成立しないようなループがあります.
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