sup (上限)

A ⊂ R とします. A が上に有界であるとは
∃M, ∀x ∈ A s.t. x ≤ M
が成り立つ事です.

そして, 次のような集合を A の上界と言います:
{ M′ ; x ≤ M′, x ∈ A}.
このとき, 最小の上界が存在し, これをAの上限と言い, sup A と書きます.

ここで, sup A は次のように2通りの表し方があることに注意しましょう.
(i) ∀x ∈ A, x ≤ sup A.
(ii) ∀ε > 0, ∃x ∈ A s.t. sup A – ε < x.

図を書いてみると理解しやすいと思います.

<記号の意味>
∃: ある~が存在する. existの意味.
∀: 任意の. 全ての. for allの意味.
s.t.: ~となるような. such thatの略.

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空集合の記号

空集合とは
元を1つも持たない集合です.

そして, 空集合の記号は ∅ または0 (ゼロ) にスラッシュを重ねた記号で,
ノルウェー語のアルファベットから来ています.

TeX で文章を作成する際のフォントが Computer Modern の場合,
コマンドはそれぞれ \varnothing, \emptyset となります.

その記号をギリシャ文字の φ (ファイ) で代用している書籍などを見かけるときがありますが,
あれは正しくありません.

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行と列

数学において, “matrix” とは, 数を長方形に並べて括弧でまとめたものです.
これは行と列からできているので, 日本語では「行列」と呼ばれます.
行とは数の横の並びを言い, 列とは数の縦の並びを言います.
matrix の邦訳をつけたのは数学者高木貞治だそうです.

日常生活においても, 行と列の意味はそれぞれ横と縦の並びを表しますが, 使い分けが適当だったりします.
例えば, 「(車が横に並んでいるにも関わらず) 列の一番端に停めてください」や
「前3列を空けて座ってください」などと何故か「列」が使われることが多いです.
「行」を聞いたことが殆どありません.

行と列の意味を正しく理解するには, それぞれの漢字の旁に注目すると一目瞭然です.
は横の並び, は縦の並び.

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