Mathematics

懸垂線 (カテナリー)

函数
y = (cosh ax)/a ( -b ≤ x ≤ b )
のグラフで表される曲線を懸垂線と呼びます.
ここで, aは正の定数で, 曲線の両端を x = ±b とします.

この曲線の面白いところはロープや鎖の両端を固定して,
吊り下げたときに描く曲線が懸垂線を表しているという事です.
懸垂線の式の導出は, 力の釣り合いによる力学の問題です.

建築物の例としては, 明石海峡大橋のメインケーブルは懸垂線を描いています.
また, セントルイスのゲートウェイ・アーチも懸垂線を描いています.
アーチに懸垂線を用いる理由は, 力の釣り合いにより建築物の構造として安定しているからです.

photo credit: Gateway Arch – St. Louis – Missouri via photopin (license)

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ほとんど至る所

Lebesgue 積分をやっていると「ほとんど至る所」という概念が必ずでてきます.

P(x) を可測集合 A の元 x に対する命題とします.
ある零集合 (測度が0の可測集合) B ⊂ A があって,
すべての x ∉ B に対して P(x) が成り立つとき,
「P(x) は測度 μ に関してほとんど至る所の x ∈ A に対して成り立つ」といいます.
このことを P(x) μ-a.e. x ∈ A, P(x) a.e. x ∈ A などと書きます.

また「f と g が Ω 上ほとんど至る所等しい」という場合は
f = g a.e. on Ω と書きます.

a.e. は ”almost everywhere” の略で,
a.e. x は ”almost every x” の略ですが, a.e. x のことを ”almost all x” として ”a.a. x” と書く人もいます.
フランス語では ”presque partout” なので, フランス人は ”p.p.” と書いたりします.
確率論では「ほとんど確実に」という意味で ”almost surely” として”a.s.” と書くことが多いようです.

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sup (上限)

A ⊂ R とします. A が上に有界であるとは
∃M, ∀x ∈ A s.t. x ≤ M
が成り立つ事です.

そして, 次のような集合を A の上界と言います:
{ M′ ; x ≤ M′, x ∈ A}.
このとき, 最小の上界が存在し, これをAの上限と言い, sup A と書きます.

ここで, sup A は次のように2通りの表し方があることに注意しましょう.
(i) ∀x ∈ A, x ≤ sup A.
(ii) ∀ε > 0, ∃x ∈ A s.t. sup A – ε < x.

図を書いてみると理解しやすいと思います.

<記号の意味>
∃: ある~が存在する. existの意味.
∀: 任意の. 全ての. for allの意味.
s.t.: ~となるような. such thatの略.

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