単連結
2次元球面 S2 (我々が普段球面と思っているもの) 上にへばりついて生活している生物を想像しましょう.
つまり, その生物にとって, 球面が宇宙そのものです.
その生物を A と名付けましょう.
いま, A を囲む球面上の任意のループ (自分自身と交叉しない閉曲線) を考え, ループ上の1点 P を固定します.
A はループの内部にいますが, 点 P を固定しておいてループを連続的に変形させてどんどん広げていけば,
たちまち A はループの外部へ出てしまいます.
このことから, 球面上ではループの内部にいる A はループの外部にいるとも思えます.
逆も同様です.
ここで, ループの内部・外部という言葉を使いましたが,
それではループを赤道とすれば A は内部と外部のどちらにいるのか?
という問いが生じるので, そもそも球面上では内部・外部の区別は意味がなく,
ループは球面をただ2つの領域に分けると理解してください.
次に, 点 P を固定しておいてループを連続的に変形していくと, 点 P に縮めることが出来ます.
このとき, ループと点 P は互いにホモトープまたはホモトピックであるといいます.
一般にこのような性質が成り立つ領域は単連結であるといいます.
ちなみに, トーラスは単連結ではありません.
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